はじめに──クリーンブーストだけで終わらせないミョルニル
Mythos Mjolnir が気になっているけれど、
- 「Klon 系クリーンブースター」で終わらせたくない
- アンプシミュレーター前提で、クランチやリードに使えるか知りたい
- 常時オンじゃなく、“踏んだ瞬間に半段前に出る”使い方を探している
そんな人向けの記事です。
結論から言うと、ミョルニルは
クリーンを“甘いクランチ”まで持ち上げるペダル
+ さらにリードトーンをもう一段だけ前に出すペダル
として使うと、かなりおいしいところを引き出せる一台でした。
この記事では、
- 世間で言われる「ミョルニル像」と、自分の入口のズレ
- 使い方① クランチをつくる“ゲインちょい足し”
- 使い方② リード用オーバードライブとして踏み込む
- アンプシミュレーターとの相性
- どんなギタリストに向いていて、どんな人には向かないか
を、実際に自作曲「White Flame」で使い倒した視点からまとめていきます。
世間のミョルニル像と、自分の入り口のズレ
ミョルニルについて調べると、だいたいこんな言葉が並んでいる。
- 「Klon クローンの中でも太めで、ミッドが気持ちいい」
- 「クリーンブーストにしてアンプを押すとちょうどいい」
- 「常時オンにして、その上に別の歪みを重ねると良い」
つまり、**「軽く押しておく上品なブースター」**として語られることが多い。
一方で、僕の欲しかったのはもう少し違うものだった。
「クランチ〜リードを、もう半段だけ前に出したい」
アンプシミュレーター側では、まず「素直なクリーン〜ごく浅いブレイクアップ」を土台として作っておく。
そこにミョルニルのゲインを少し足して、まずは軽いクランチを作る。
さらにゲインを上げていくことで、そこからリードトーンまで持っていく。
やっていることはシンプルだけど、
体感としては「クリーン → クランチ → リード」と、
ギアが一段増えた感覚に近い。
使い方① クランチの“ゲインちょい足し”としてのミョルニル
まずはクランチ。
アンプシミュレーター側で、すでに「気持ちよく弾けるクリーン〜ごく浅いブレイクアップ」を作っておく。
そのうえでミョルニルをオンにして、クランチまで持ち上げる。
僕の目安はこんな感じ。
ゲイン:9〜10時
トーン:ギターとアンプに合わせて微調整
レベル:アンシュミの入力をほんの少しだけ押す程度
このセッティングにすると、
普通に弾いているときは、甘いクランチのまま
ピッキングを強くした瞬間だけ、ぐっと前に出てくる
そんな動きをしてくれる。
いわゆる「透明系ブースト」ほどフラットではない。
でも、中域が少しだけ盛り上がるおかげで、
ストラトのシングルが“線の細さを保ったまま、ちゃんと主張してくる”
このバランスがちょうどいい。
クランチは、いちばんギターのキャラクターが出る領域だ。
ここでペダルの色が濃すぎると、一気に窮屈になる。
ミョルニルの「太いけど、出しゃばりすぎない」加減は、かなり実戦向きだと感じた。
使い方② リード用オーバードライブとして踏み込む
次はリードトーン。
ここでは、ミョルニルをほぼメイン歪み並みまで踏み込んで使う。
アンプシミュレーター側の設定はそのままに、
ミョルニルのゲインを上げて、ギター側のボリュームとも連動させる。
- ゲイン:12〜1時
- レベル:クランチ時より少し高め
- トーン:高域が耳に痛くならないギリギリ手前
この状態でリードを弾くと、
- 音が前に「にゅっ」と出てくる
- Klon 系らしいコンプレッションで、ロングトーンが自然に伸びる
White Flame のレコーディングでは、
曲の後半のリードでこのセッティングを使っている。
- 前半:クランチ寄りのコードとアルペジオ
- 後半:ミョルニルのゲインを上げてリードへ
「白い炎が、少しだけ強く燃え上がる」瞬間を作りたかった。
リード用オーバードライブとして見ると、ミョルニルは決して派手ではない。
ハイゲインのような“分かりやすい快感”はないけれど、
自分の間とニュアンスを壊さずに、音だけ前に出してくれる
この感覚が、一番信頼できるところだった。
アンプシミュレーターとの相性
今回は、生アンプではなく アンプシミュレーター前提で使っている。
「Klon系はアンプを鳴らしてなんぼ」というイメージは強い。
それでもミョルニルがアンプシュミレーターでも活きる理由は、あくまで僕の耳ではあるけど、だいたいこの二つ。
- 不自然なローカット/ハイシェルフではなく、
中域を少し押し出すEQカーブになっている - ゲインを上げても音が暴れすぎず、 クリーン寄りの土台を崩さないコンプレッションになっている
つまり、アンシュミ側で整えた音に対して、
「最後にもう一段階だけ表情を足す」役
として働いてくれる。
生アンプ派からすると邪道に見えるかもしれない。
でも、自宅録音やDTMベースでギターを残したい人にとっては、
アンプシミュレーター + ミョルニル
という組み合わせは、かなり現実的な選択肢だと思う。
実際の使用例:White Flame でのミョルニル
このペダルは、自作曲 White Flame の中で使っています。
曲全体を通して、
- 前半:クランチ寄りのコードとアルペジオ(使い方①)
- 後半:ゲインを上げたリードトーン(使い方②)
という二段階でミョルニルを踏み込んでいます。
具体的にはこんな使い方です。
- 0:00〜 冒頭のクランチ・コードカッティング
→ クリーン寄りの土台に、ミョルニルでゲインを「半段だけ」足して、アタックを前に押し出す。 - 0:17〜 アルペジオと裏旋律
→ ストラトのシングルが細くなりすぎないように、中域を少し太らせる役割。 - 0:51〜 リードトーン&16分風カッティング
→ ゲインを12〜1時付近まで上げて、ロングトーンと粒立ちを整えながら、前に“にゅっ”と出す。(カッティングはクランチセッティング)
機材構成はシンプルに、
Stratocaster → Mythos Mjolnir → Volt 276 → AmpliTube(アンプシミュレーター)
という一本線です。
アンプシミュレーター環境でも、ミョルニルで“最後のひと押し”がしやすい組み合わせになっています。
まずはフルバージョン(Bandcamp):
雰囲気だけサクッと見たい場合は、こちらのショート版でもOKです:
ミョルニルがハマる人/向かない人
こんなギタリストにはハマると思う
- クリーン〜クランチ帯のニュアンスを大事にしたい
- Strat や Fender 系アンプ(またはそのアンシュミ)で、
「もう半段だけ前に出したい」感覚がある - クリーンブースト専用だけではなく、
クランチとリードの“二段変速”として使いたい - 演奏の間とニュアンスを壊さずに、音だけ太くしたい
こんなギタリストには向かないかもしれない
- ソロのときだけ一気に音量を跳ね上げたい人
- 踏んだ瞬間に世界が変わるような、派手なエフェクトを求めている人
- ハイゲイン主体で、ペダル一発で完結する歪みを探している人
- 「とりあえず繋いで終わり」で済ませたい人(細かい調整が面倒な人)
まとめ──クリーンブーストだけじゃもったいない一台
世間では、ミョルニルは「Klon系の優秀なクリーンブースター」として語られることが多い。
それは確かに正しいと思う。
でも、クランチとリードで使い倒してみて感じたのは、
ミョルニルは、“音楽の流れを壊さずにギターだけ前に出すペダル”
ということだった。
歪みを増やしても、妙な派手さにはならない。
倍音は増えるのに、演奏そのものからは目をそらさせない。
White Flame では、
- クランチのためのちょい足し
- リードの押し出し
という二つの役割をミョルニルに任せた。
どちらも「主役の座を奪う」のではなく、
ギターの火を、もう少しだけ明るくするための火加減の調整
だったと思う。
クリーンブーストだけで終わらせるには、やっぱりもったいない。
ちゃんと踏み込めば、クランチもリードも任せられる一台でした。
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