権威は正解じゃない。投資は自分で考えろ――snsにあふれる情報に流されないために

エッセイ|コラム

結論
投資で最も危うい瞬間は、権威の声に自分の意思を預けた瞬間。

要点

  • 今、世界は政策・金利・国際情勢で揺れている。
  • 長期投資の基盤は変わっていない。
  • けれど“今の流れ”を追いかける声が、
     発信媒体では強まっている。
  • 投資哲学を守る者だけが、揺らがない。

「成功者の言葉」が市場を動かす今

最近、影響力のある発信者A氏が動画でこう宣言していた。
「私はこれまで世界インデックスを積み立ててきたが、これからは日本株を本格的に買う」。
タイトルも「〇〇をやめて□□へシフトチェンジ」と明快だった。

この発言が出た背景には、

  • 国内政党が新体制へ移行し、
  • 政策期待で株価が上昇し、
  • 海外マネーの流入が加速しているという“潮目”がある。

例えば、政権支持率が70%に迫るという報道。
それを根拠に「高い支持=政策継続」を想定し、
「だから日本株が上がる」と論じる。

でも僕は疑問を持つ。
この判断、本当に長期投資なのか?
それとも“今だから乗る”短期的思考なのか?


「日本が好きだから応援したい」その重みと矛盾

発信者A氏はこうも語っていた。
「日本が好きだから、日本株を応援したい」。

確かに美しい言葉だ。
けれど投資判断としては脆弱だ。
何を応援してるのか?
どの構造を信じてるのか?
その説明が曖昧だと、結局は“感情”だ。

もし本当に応援なら、低迷期にも買い続けるはず。
だが、熱が入るのは状況が好転してから。
このズレこそが「応援」ではなく「乗り替え」のサイン。

さらに、政策期待や支持率というのは流動的。
政権が安定していても、世界情勢・為替・地政学リスクで一転する。
だから“期待”を根拠にした投資は、長期では脆さを露呈する。


自己理論は、破綻の始まり

投資哲学と自己理論は似て非なるもの。

投資哲学=長期・分散・低コスト・複利。
これが多数年のデータで支持されてきた。

自己理論=「自分だけ読める」「自分だけは正しい」。
この感覚が入ると、投資は予言になってしまう。

市場は予言を信じない。
どれだけ成功していても、
どれだけ影響力があっても、
一度“自分の都合”に賭ければ、例外なく揺らぐ。

発信者A氏も例外ではない。
彼が「日本株で勝つ」と語った瞬間、
その言葉が多くの人にとって羅針盤になるなら、
それは“遊び”ではなく影響力の責任を帯びる。


発信は“遊び”では済まされない

政治・経済・投資。
この三つが重なるところで発信をすることは、
「個人の遊び」では済まされない。

日本では特に、
権威=正解
という構図が根強い。

「お金持ちの言葉」「有名人の視点」。
それだけで安心したい人が多い。
だが安心=正解ではない。

発信者が“遊び”と思って発した言葉も、
読者・視聴者にとっては“判断の分岐点”になる。

だから、発信する者には責任がある。
読む者にも、疑問を持つ責任がある。


静かに勝つ者の条件

長期投資で勝つ者は、
他人の旗に飛び乗らない。

  • 市場のざわつきを無視する。
  • その場の歓声に惑わされない。
  • 自分の規律を守る。
  • 世界の成長に静かに乗せる。
  • 方針を変えずに、時を味方につける。

投資とは、
自分との戦いだ。
欲と、期待と、群れとの戦いだ。

黙って淡々と積んだ者だけが、
最後に笑う権利を持つ。

今日も君のポートフォリオは動いている。
その動きに波立たず、
その構えに揺らぎなく、
君だけの航路を守ろう。


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