はじめに
この記事は、アルプスや富士山クラスの無雪期登山を想定しつつ、「レイン上下は2枚で完結させたい」人に向けて、クライムライト+サンダーパスという組み合わせがどこまで使えるかをまとめたレビューです。
雨具は必須だ
山に入るなら、雨具は必ず持つ。
晴天の予報でも、これだけは外せない。
稜線の天気は一瞬で変わる。
一枚のレインウェアが、低体温から命を守る境界になる。
濡れたまま行動すれば、体温は奪われ、脚は思いどおりに動かなくなる。
無理をすれば、下山どころかその場で動けなくなる。
実際、富士山の御殿場ルートでの夜明け前や、雲ノ平の長い縦走路では、
数時間のあいだに晴れから本降りへと急変した。
どんなに天気図を読んでも、完全には避けられない。
そんなとき、この2枚が確実に僕を守ってくれた。
だから雨具は、ただの「雨よけ」ではない。
防風、防寒、シェル。
山で生きるための最初の防壁だ。
✴ ノースフェイス クライムライト|街でも、稜線でも、美しく

上に着るのは、ノースフェイスのクライムライトジャケット。
アメリカ発のこのブランドは、「探求をやめない(Never Stop Exploring)」を掲げるだけあって、
本格的な登山仕様のギアと、都会的なデザイン性を絶妙なバランスでまとめてくる。
クライムライトもまさにその一枚で、
3層構造のGORE-TEX ePEを使い、スペック的には申し分がない。
脇下のベンチレーションが行動中の熱気を素早く逃がし、
ザックと干渉しない斜め配置のプラスポケットは稜線での小物出し入れに助かる。
富士山の雨脚が急に強くなった時も、
フードを一気にかぶり、ベンチレーションを閉じるだけで体温をキープできた。
唯一の難点は、フードのドローコードが少し甘いこと。
強風の稜線では調整しきれないこともあるが、
実際の山行では十分に機能してくれている。
そして何より、このクライムライトは街でも違和感がない。
シルエット、色味、素材感。アウトドアを脱いでも成立する。
高価なレインウェアが、山と街の両方で使える。
それは、ただ便利という以上に、“ひとつの投資として理にかなっている”と感じている。
クライムライトの良いところ・気になるところ
良いところ
・3層GORE-TEX ePEで、スペック的にはアルプス〜富士山クラスまで十分対応
・脇下ベンチレーションと斜め配置ポケットで、行動中もストレスが少ない
・山だけでなく街着・旅先でもそのまま使えるデザイン性
気になるところ
・フードのドローコードがやや甘く、強風の稜線では調整に一工夫いる
・軽量レインの中では“超UL”というほどではない(逆に言えば安心感寄り)
──この道具が、誰かの静かな旅路に届けば。
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✴ モンベル サンダーパス|必要なものだけ、きちんとある

下はモンベルのサンダーパス。
日本の山、そして日本人の体型にきちんと向き合って作られている一枚だ。
このブランドは、「Function is Beauty(機能美)」「Light & Fast(軽く、素早く)」を掲げていて、
どこか質実剛健な空気がある。
このパンツも例に漏れず、必要な機能が必要なかたちで、過不足なく整っている。
3層DRY-TEC、防水20,000mm以上、透湿性15,000g。
フルジップ構造でブーツを脱がずに着脱できるのは、雨中の稜線やテン場では本当にありがたい。
雲ノ平で続いた雨でも、着脱と通気を繰り返しながら快適さを保てた。
上位モデルのストームクルーザー下は確かに高性能だが、価格は倍近い。
パンツはトップスほど使用頻度が高くない。
それなら、こういう“ちょうどいい性能と価格”を選ぶのも、ひとつの技術だと思う。
モンベルの製品には、派手さがない。
でも、山の中でふと立ち止まったとき、
「必要なものが、きちんとある」と感じさせてくれる信頼感がある。
サンダーパスの良いところ・気になるところ
良いところ
・3レイヤーDRY-TEC、防水20,000mm/透湿15,000gで、縦走でも十分戦える
・フルジップ仕様で、ブーツを脱がずに着脱できる実用性
・ストームクルーザー下より価格が抑えめで、「性能と値段のバランス」が良い
気になるところ
・生地感はややしっかりめで、軽さだけを見るとUL派には物足りないかもしれない
・盛夏の低山では、もう一段薄手のレインパンツを使い分けたくなる場面もある
──この道具が、誰かの静かな旅路に届けば。
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🏕️montbell公式サイト・サンダーパスパンツのページへ
この2枚がもたらすもの
クライムライトとサンダーパス。
どちらも単体で信頼できるが、組み合わせることでさらに強い。
初夏から初冬の日本アルプス、富士山や雲ノ平のように数日山にこもる行程でも、
この2枚があれば安心して動ける。
街でも旅行でもそのまま羽織れるデザイン性。
余計な予備シェルを持たずに済む分、荷も心も軽くなる。
結び
雨具はただの道具ではない。
命を守りながら、暮らしにも馴染むものを選びたい。
クライムライトは街に溶け込むかっこよさを持ちつつ、山で本気を出す。
サンダーパスは必要十分な性能を、無駄なく届けてくれる。
無駄を削り、信頼は削らない。
富士山や雲ノ平の長い縦走でも証明されたように、
僕のレインウェアは、この2枚で足りている。
これから山を始める人にも、買い替えを考えている人にも、
この組み合わせは、静かにおすすめできる選択肢だ。
派手ではないけれど、必要なとき、ちゃんと守ってくれる。
山でも、街でも。
一着に、ひとつの安心を。
無駄を削り、信頼は削らない──僕の雨具は、しばらくこの2枚のままでいいと思っている。



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