はじめに
アナログの減衰と丸い輪郭。
その響きはリバーブのように空気へ溶けていく。
外観はilovedustによる限定デザイン。
中身は、名機Carbon Copyそのものだ。
この記事は、
- ディレイを“空間系”として薄くかけたい
- デジタルより、アナログの柔らかい減衰が好み
- はじめてのアナログディレイに Carbon Copy を検討している
そんなギタリスト向けのレビューです。
原音を邪魔しないアナログ残響
僕はディレイを薄くかけてリバーブに近い使い方をする。
Carbon Copyはその前提にきれいに応える。
- Delay:9時前後
- Regen:1回リピート程度
- Mix:10時弱
- Mod:オフ
この控えめなセッティングで空気を足すような奥行きが生まれる。
この控えめな設定で、コードを一発鳴らすだけで
音の芯はそのまま、輪郭だけがやわらかく空間に溶けていく。
アナログBBDならではの、自然で丸い減衰。
デジタル特有の「カクッと切れる感じ」がなく、
ピッキングの輪郭も濁らない。
- バッキング:コードの分離を損なわず、厚みだけ足してくれる
- ソロ:残響は後ろで呼吸しているだけで、主役の邪魔をしない
「原音を壊さないまま、空気だけ足したい」人には、かなり相性がいい。
直感で回せる、ざっくり3ノブ設計
Carbon Copy を触ってまず感じるのは、
「耳で決めればいい」設計だということ。
デジタルディレイのように
「320ms」「430ms」と数値で詰めることはできない。
けれど、その代わりにやることはシンプル。
Delay を回して、弾いて、「ちょうど気持ちいい残り方」を耳で探すだけ。
その日のアンプ、その部屋の響き、そのバンドの編成。
毎回ちょっとずつ違う条件に対して、耳で合わせる。
この「数値に縛られない感じ」が、
アナログディレイの一番の気楽さだと思う。
限定外観 ILOVEDUST版という付加価値
黒地に幾何学的パターン。
ilovedustが手掛けたILOVEDUST限定版(ILD169)。
すでに生産終了しており、
今は中古市場でしか出会えない。
中身の回路は通常版M169と同一。
音の違いはない。
けれども、この特別な外装は
“所有する喜び”そのものだ。
ペダルボードを開いた瞬間に
他のどの機材とも違う存在感を放つ。
その佇まいだけで、少しだけ演奏の気分を変えてくれる。
定番機種としての信頼
Carbon Copyは長年ステージやスタジオで愛されてきた。
その理由は、必要十分なサウンドに尽きる。
最大600msというレンジ、自然な減衰、ノイズの少なさ。
どれも“これさえあれば大丈夫”という安心感がある。
初めてのアナログディレイとしても、
何台目かの常用機としても、
どちらの立場でも、「とりあえず Carbon Copy にしておけば大丈夫」と言えるくらいの基準機だと思う。
僕のセッティングと使い分け
僕はこのペダルを
存在感を押し出す方向で使う。
コードバッキングやアルペジオでは
- Delay:9時前後
- Regen:1回程度
- Mix:10時弱
音の芯を保ったまま輪郭だけを持ち上げることで
伴奏の中でもコードの分離やアルペジオの粒立ちが自然に際立つ。
ソロでは同じセッティングを基調に
Mixを少し上げて奥行きを一段深く。
リバーブのように空間を広げながら、
アナログ特有の温かい残響で
フレーズそのものを前に押し出せる。
宅録でも効果は大きい。
DAWのリバーブを控えめにし、
Carbon Copyを最後段でオンにするだけで
アンプで鳴らした立体感をそのまま録音できる。
Carbon Copyは、ただ背景を作るだけではない。
空気を足しつつ演奏の輪郭を支える、実戦的な空間系だ。
音の使い方を曲の中で
ディレイは短めに設定し、音の厚みを補う方向で使っている。
リバーブのように広げすぎず、曲全体のバランスに馴染む範囲で空気感を足すイメージだ。
🎸録音環境
Stratocaster → BOSS BP-1W(バッキングのみ)→ Full Tone OCD ver1.4(リードのみ)→MXR Carbon Copy(全パートで使用)→ Volt 276 → AmpliTube
こんなギタリストにはハマる/向かない
ハマると思う人
- デジタルより、アナログの“丸い減衰”が好き
- ディレイは「空間系」として薄くかけたい
- 原音の輪郭を壊さずに、奥行きだけ足したい
- 数値より耳で決めるタイプで、「ざっくり気持ちいい」が性に合う
あまり向かないかもしれない人
- 空間系で、もっと派手に“エフェクター感”を出したい人
- U2 ばりの「長いフィードバック+きっちりテンポ合わせ」をやりたい人
- 多機能ディレイ(タップテンポ/プリセット/モジュレーション多彩)を一本で済ませたい人
まとめ
MXR Carbon Copy ILOVEDUSTは、
見て嬉しい、鳴らして納得の限定機。
- アナログBBDならではの自然な減衰
- 数値に縛られない直観的ノブ操作
- 必要十分なサウンドと定番としての信頼
- コード、アルペジオ、ソロをさりげなく前に出す力
を併せ持った、「見て嬉しい/鳴らして納得の一台」だ。
基本的には中身は通常版 M169 と同じ。
だからこそ、**音の軸は「定番機種としての信頼」**にある。
ただ静かにボードに置いておくだけで、
音も景色も、すこしだけ柔らかくなるアナログディレイ。
※本文で使用しているのは ILOVEDUST 限定版ですが、回路は通常版 M169 と同じです。リンク先は、現在入手しやすい通常版 Carbon Copy になります。
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