山に呼ばれる日、僕はティンプを履いていた:ローカットという自由 「アルトラティンプ4」レビュー

登山道具

はじめに

登山の三種の神器なんて言葉があるけれど、登山靴はそのひとつ。
いや、ぶっちゃけ、いちばん重要と言ってもいいと思っている。

登山靴といっても種類はいろいろだ。
足首をすっぽり覆うハイカット、その中間のミドルカット、そして足首の出るローカット。
「どれが正解か」なんてものはなくて、自分のスタイルと目指す山との相性で選ぶのが、結局いちばん現実的だ。

最近は軽く、快適で、ミニマルなスタイルが流行りらしい。
“ウルトラライト”なんて言葉もよく耳にするようになった。

最初の一足はミドルカットが妥当だと思う。
でも、次に手にするなら「ローカット」という選択肢も、決して悪くない。


ここからが本題で、この記事はこんな人向けです。

  • 日帰りメインで、荷物は軽め(〜10kg前後)
  • 2000m級までの無雪期の山が多い
  • アプローチの舗装路や林道もそこそこ歩く
  • 「ガチ登山」よりも、ふと思い立ってサクッと山に行きたい

先に結論を書いておくと、
こういうスタイルなら ローカット+アルトラ・ティンプはかなり相性がいい 一足です。

逆に、

  • 重い荷物での縦走をガッツリやりたい
  • ガレ場・岩稜帯を攻める山行が多い
  • 雨や雪でもシーズン問わず登りたい

こんな人は、素直にミドルカット以上を選んだ方がいい。

ティンプは「なんでもできる万能靴」ではなくて、
山に呼ばれた日に、すっと背中を押してくれる“軽装用の相棒”

この記事では、その前提に立ったうえで、

  • ローカットの魅力と弱点
  • ローカットが気持ちよくハマる山行の条件
  • ティンプ4を3年履いてきたリアルな使用感
  • いま買うならティンプ5をどう見るか

を、実際の山行の体験ベースでまとめていきます。


ローカットで歩くということ

ローカット最大の魅力は、とにかく軽いことだ。
取り回しがよく、脱ぎ履きがラクで、疲れにくい。
日帰りで2000m以下の山に登るなら、出番はかなり多くなる。

かっちりしたミドルやハイカットは、頼もしい反面、重いし、履くのにも脱ぐのにも一手間いる。
アラフォーになると、この「ひと手間」が案外ネックになる。

「行くか…」と少しでも迷ったときに、
玄関でサッと履いてそのまま車に乗れるかどうか。
この気軽さは、思っている以上に大きい。

もうひとつの魅力は、靴の“柔らかさ”だ。
地面の感触がダイレクトに伝わってくる。
凹凸、土、岩、木の根、草。
そういう自然の情報を足裏で受け取れる。

硬くて分厚いソールの靴では味わえない、“山と一体になっている感覚”。
僕はこの感覚がけっこう好きで、歩きながらふと「いま、山に溶け込んでるな」と思う瞬間がある。

さらに、通気性。
足首が覆われていないぶん、どうしてもミドルより蒸れにくい。
メッシュ寄りのアッパーなら、夏場の樹林帯でもだいぶ楽になる。

そして僕にとっての“隠れた大きな利点”が、ロードもいけることだ。

登山って、意外とアスファルトを歩く。
バス停から登山口まで、駐車場から林道の入り口まで。
重くて硬い登山靴だと、このロード歩きが地味にしんどい。

ローカットなら、そのあたりはかなり気がラクになる。
クッション性もあって、アスファルトの衝撃をちゃんと吸収してくれる。
ロードでも、山道でも、気持ちよく足が前に出る。

ローカットが気持ちよくハマる場面

ローカットは「なんでもできる靴」じゃないけれど、
ハマる場面では、ミドルカットには戻れないくらい快適になる。

たとえば、こんな山行には相性がいい。

  • 日帰り・2000m前後までの軽装登山
    荷物が軽いほど、ローカットの「身軽さ」がそのままメリットになる。
  • アプローチが長いルート(ロード+登山道)
    行き帰りのアスファルトも含めて、ずっと快適に歩けるのはローカットならでは。
  • 夏〜初秋の、ドライコンディションの山
    蒸れにくくて、通気性がいい。汗でぐしょっとならないのは精神的にも大きい。
  • “行こうかどうか”迷う休日の一本目
    重たい登山靴だと腰が上がりづらい日でも、
    「とりあえずティンプ履いて出るか」と思える軽さが、背中を押してくれる。

まとめると、ローカットが生きるのは、

軽装・日帰り・ドライ寄りのコンディションで、
「迷ったらサッと履いて出たい」山行

このレンジだと思ってる。


ローカットの弱点と、線引き

とはいえ、良いところばかりではない。

ローカットはあくまで“軽装用”だ。
重い荷物を背負う本格的な縦走には向かない。
足首のサポートがないぶん、負担がモロにかかる。
この場合は素直にミドルカット以上を選んだ方がいい。

ガレ場でも、あまり無理はさせない方がいい。
足場が不安定な岩稜帯では、踏ん張りが効きにくく、疲労も早く溜まる。
「たまに軽いガレが混じる里山」くらいまでが守備範囲かな、というのが今の感覚だ。

よく「ローカットは捻挫しやすい」と言われるけれど、個人的にはあまりそれを実感したことはない。
むしろ、変に安心して雑に足を置く方が危ない。
慣れた足運びをしていれば、過剰に怖がる必要はないと思っている。

ただ、最大の弱点はやっぱり防水性だと思う。
防水モデルもあるが、基本的には速乾性を重視したつくりが多い。

これはスタイルによって評価が分かれるところだ。
夏場の低山なら「濡れてもすぐ乾く」で済むことも多い。
けれど、寒い時期の雨や、長時間の濡れはリスクになる。
低体温につながりかねないので、気温や天候、行程によってはローカットをやめる判断も必要だ。

結局のところ、靴も“適材適所”。
良し悪しではなく、向き不向き。
それを理解した上で選ぶことが、トラブルを減らすいちばんのコツだと思う。

ローカットを選ぶときの注意点

ローカットは「軽くて自由」なぶん、守備範囲にも限界がある。

・重い荷物を背負う縦走には向かない
・ガレ場や岩場が長く続くルートでは踏ん張りが効きにくい
・気温が低い時季や、長時間の濡れが前提の山行ではリスクが大きい

足首のサポートがないぶん、筋力と慣れも必要になる。
日帰り・軽装・2000m前後まで──このあたりが、ローカットが気持ちよく機能するレンジだと思う。

「とりあえず何でもローカットで行ける」という話ではない。
行く山の標高、路面、荷物の重さ、気温と天候。
そのあたりを一度イメージしてから、ローカットかミドルカットかを選ぶと、失敗はかなり減らせる。


アルトラ・ティンプ4という相棒

僕がここ3年ほど履いてきたのが、アルトラの「ティンプ4」。
いまはティンプ5にモデルチェンジしているが、4でも十分に優秀だった。

当初は「ローンピークを買うつもり」だった。
YouTubeでもやたら勧められていたし、レビューも多い。
地方住まいゆえ、ネットで取扱店を探して、片道1時間以上かけて車を走らせた。

その店は、店主ひとりでやっている小さな山道具屋だった。
山の話を振ると、淡々と、でもやけに具体的な答えが返ってくるタイプの人。

「アルトラならティンプがいい」とすすめてくれたのは、その店主だった。
ローンピークよりもクッションが厚く、ロングでも足に優しいという。

試しに足を入れてみた瞬間、直感で「これやな」と思った。

とにかく軽い。
そして足が自然と前に出る。
フィット感が心地よくて、「あ、これは歩くのが楽しくなる靴や」とすぐに分かった。

僕はニューバランスのヘビーユーザーでもあるけれど、
正直、その履き心地を軽く超えてきた。

迷う理由もなく、即決だった。


ティンプ4で歩いた山と、ハマったシーン

それからというもの、僕の登山の8割はティンプ4だった。

日帰りで行く1000〜2000m級の山。
樹林帯の続く尾根道、土の多いトレイル、時々現れる岩混じりの斜面。
そんなルートでは、ティンプ4はいつも「ちょうどいい」相棒だった。

軽さ、柔らかさ、ストレスのなさ。
足裏に伝わる土の感触と、程よいクッション。
長い下りでも「靴にやられている感じ」が少ない。

反対に、「これはティンプじゃない方がよかったな」と思ったのは、
ガレが延々と続くルートや、大荷物を背負ったテント泊のときだ。
踏ん張りたい場面で、どうしても足首のサポートの薄さを意識させられる。

そういう意味で、ティンプ4は

  • 日帰り
  • 荷物は軽め
  • 樹林帯〜土の多いトレイル中心

この条件が揃った山に、いちばんしっくり来る靴だった。

ティンプ5ではビブラムソールが採用されていて、グリップや耐久性も向上しているらしい。
4にここまで助けられていると、正直、次もティンプでいいかと思っている。


最後に──ローカットという、一歩目を軽くする選択

登山靴を考えるとき、ミドルカットから入るのは堅実だと思う。
足首の保護、荷物の重さ、天候の振れ幅。
いろいろな条件を考えると、その方が安心だからだ。

でも、山との付き合い方が少し見えてきて、
「今日は軽く、ふらっと山に行きたい」
そんな日が増えてきたら、ローカットという選択肢は間違いなくアリだ。

軽さがくれる気軽さ。
その一歩目を、どれだけ軽く踏み出せるか。
それは想像以上に、山に行く回数を左右する。

「山に行きたいな」とふと思ったとき、
玄関でティンプを見て、自然と手が伸びるかどうか。

僕にとってローカットシューズは、
そんなふうに、山に呼ばれたときに背中をそっと押してくれる一足になっている。


いま買うなら「アルトラ・ティンプ5」でいいと思う

僕が3年間履いてきたのはティンプ4だけど、いまの現行モデルは「ティンプ5」。
ビブラムソール採用で、グリップと耐久性は素直にアップデートされている。

ローカットで軽くて、ロードも山道もストレスなく歩きたい。
そんな一足を探しているなら、まずこのモデルを候補に入れてみていいと思う。

──この道具が、誰かの静かな旅路に届けば。
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